ドイツの野草あれこれ

日本からドイツに戻ってきて約1ヶ月。

私の暮らすバイエルンもすっかり春です。

 

さて今日は、久しぶりに外出しようとしたら鍵を家に忘れまして。

我が家はドイツの一般的なオートロックドアで、

家族も外出中だったので思いきり閉め出されてしまいました。

 

仕方がないので、家族が帰ってくるまで野草探しの旅に出ることに。

ウチの近くは大概何もない田舎なのですが、自然だけは豊かなので、

野草やらキノコやらを探すのにはパラダイスなのです。 

ベアラオホ(左)と、ドイツ語で「悪魔の鉤爪(Ährige Teufelskralle)」と呼ばれる野草(右)。両方美味。
ベアラオホ(左)と、ドイツ語で「悪魔の鉤爪(Ährige Teufelskralle)」と呼ばれる野草(右)。両方美味。

ドイツでよく知られている春の野草といえば、例えばこちらのワイルドガーリック(ベアラオホ)でしょうか。

4月あたりに生える葉っぱを食べるのが一般的ですが、私はこれの花のつぼみや未熟果もよく料理に使います。

花は天ぷらやサラダの飾り、つぼみと未熟果は酢漬けにしてもウマい。

 

が、ベアラオホは今回の散歩道には生えてないので、別の何かを探します。

大体2時間くらい歩いてたでしょうか。色々集めました。

(途中でもう家族が帰ってきたのに、私が野草集めに夢中で帰ってこないという……。)

 

結果、イワミツバ、ハナウドの仲間、野生のホップの新芽、オレガノ、アザミの仲間、セイヨウイラクサが採れました。

 

イワミツバとイラクサはもう、本当にどこでも生えています。

ものすごい繁殖力なので、庭作りでは雑草として嫌われてたりもしてますが、実は色んな料理に使える優れもの(まあ確かに、庭には侵入してきてほしくない植物ではある)。

イワミツバはセリ科なので、香りが強くてあんまり大量に単独で使うのは難しいかもしれませんが、味噌汁に入れても美味しいんです。

ハナウドの仲間であるWiesen Bärenklauもセリ科で、セリっぽい、爽やかなニンジンのような香りがします。

ニンジンとカリッと炒め合わせてみたり、天ぷらにしても美味しい。

ちなみに、これに似たジャイアント・ホグウィード(Riesen Bärenklau)という植物は、うっかり触って日光に当たると水ぶくれができます。

セリ科は割と難しくて、ドクニンジンみたいな毒草もあるので要注意。

 

アザミの仲間のKohldistelは、普通に野菜のように使えます。

ホップの新芽はサッと湯がいてオリーブオイルで炒めると手軽な付け合わせに。

イラクサは少し青臭さが強いのですが、そのまま乾かしてお茶にしたり、軽く茹でてからほうれん草の代わりに使ったり。

オレガノは普通にフレッシュハーブとして使えて便利です。

 

ドイツで野草関連のYoutube動画とか見ていると、「せっかくの栄養が流れるから野草は水で洗ってはいけない」と言ってる人が少なからずいるのですが、私は必ず水換えて2~3回は洗います。

というか、洗わずに調理したらまな板とか色んな所が汚染されると思うので、普通に洗った方がいいと思う。

水洗いで流れる微量の栄養素のために、そんなリスキーなことをする意味は……あるのだろうか……?

 

野草関連は、ドイツだと怪しい民間療法的な情報もたくさん流れてくるので、その辺りは気をつけつつ情報収集するのがよさそうです。

 

個人的によく読んでる野草関連の本はこちら↓。

特に、左の本のレシピは本当に美味しい!

モミの木の新芽を使ったシロップとか、タンポポのジャムとか、素敵なアイデアがいっぱいでいくつも真似してます。

別に回し者でも何でもないけど。笑

というわけで、今日は思いがけず趣味にゆっくり時間を使えた一日になったのでした。

2時間歩いて足パンパンになったけど……。

 

野草集めとかキノコ狩りってやってみると本当に楽しくて、運動にもなって最高です。

ドイツの植生をドイツ語で調べるから、楽しくドイツ語も勉強できるし。

(でも勉強し始めの2~3年は、見間違えが怖くてなかなか採れなかった。正直独学だと危ないので、ツアーとか参加して詳しい人に聞きつつ、それくらい慎重にやるのがいいとは思う笑)。

 

あ、連載中の『ノラのパン種』も3話後半~4話前半が無料公開されてます!

オムニバス形式で、途中から読んでもそれなりに楽しめると思うのでぜひ。

第1話もまるっと無料です。

 

コメントも嬉しく読んでおります。

あ、3話の表紙に出てくるのがマーマイトでは?みたいな話がコメントで出てたんですが、すみません、普通にイチゴジャムです。

ヌルっと描きすぎたわね。正直パンよりジャム描く方が難しいです。笑

 

 

ではでは。